デザインとレイアウトの違い

 私は日々多くのデザイナーさん達と仕事をします。

 デザイナーさんのタイプも様々で、全てを事細かに指示する方、アバウトな指示の方、そしてお任せな方。いろいろらっしゃいます。
 もちろんお客様も同様で、「なんかカッコイイモノ」とか「おまかせします」など、とても自由に依頼されます。
お客様なので基本的には自由で構わないのですがそれだと、結果的にかなりの遠回りになる可能性が高く、かなりの時間が浪費されることになってしまいます。

 『デザイン』とは、ただ単にキレイでオシャレなものを作ることではありません。デザインは総合的な問題解決の手段であり、意匠的なものに限定されず多くの場面で使用されます。『暮らしをデザインする』等よく聞きますね。

 一方、『レイアウト』するということは、すでに目の前にある物や事柄をいかに配置するかということに主力が置かれます。

 デザインをするためには、お客様の業種はもちろんのこと、客層や販売エリア、商品の強みにいたるまで聞き込みする必要があります。
 そこで必要なものと不必要なものを振り分け、その必要な物の中で配置、つまりレイアウトをしていくことになります。そうすることで、例えば大衆食堂に高級ブティックのようなロゴや書体が使われる様なことはなくなります。

伝わるデザインの授業 一生使える8つの力が身につく [ 武田 英志 ]

 しかし、この事をクライアントに理解させるのは至難の技です。正直私も恥ずかしながら、お金をいただけるクライアントの言いなりで仕事する場合が多々あります。しかし、クライアントの熱意と要望がある時のみです。
 商売をされる方はどうしても、考え方が主観的になってしまいます。いわゆる、『こうと決めたらこうする!』です。それが重要な原動力ですので決して否定はできません。しかし、その方にはその方の仕事のノウハウがあるように、デザインにはデザインのノウハウがあります。
 そのことをクライアントのプライドを傷つけず、説明することにとても労力が使われます。(私だけでしょうか。。)



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